クラミジアは男性の妊娠させる力をも低下させる

男性不妊の背景にある病気

2007年10月16日

BBC (American Society for Reproductive Medicine Annual Meeting)

性器クラミジア(性感染症)は、女性に不妊原因になるだけでなく、男性の精子の質を低下させることで、男性の不妊原因にもなることを、スペインの大学病院の研究チームがワシントンで開催中のアメリカ生殖医学会で発表しました。

Canalejo University Hospitalの研究チームは、143名の子どもができないクラミジアに感染している男性の精子を、最新の顕微分析技術で調べたところ、クラミジアに感性している男性の精子は、健康な男性のそれに比べて、3倍以上のダメージ(DNAフラグメンテーション)を受けていることを確認しました。

精子数や運動能力も低く、奇形率も高かったとのこと。

95名のクラミジアに感染している不妊男性に抗生物質による治療を施したところ、4ヶ月後には36%の男性の精子DNAへのダメージが回復しました。

また、治療期間中に13%のカップルが妊娠し、治療終了後に妊娠したカップルは86%になったとのこと。

コメント

最も多い性感染症であるクラミジアによる不妊は、年々、増加しています。また、若い年代へのクラミジア感染が急増していることから、この増加傾向は、今後、ますます、強くなることが容易に想像できます。

クラミジアのやっかいなところは、感染しても無自覚なことが多く、感染が広がったり、症状が進行してしまうことです。

早めの発見、治療が大切です。