オークランド大学産婦人科のN.P.Johnsonらは、158名の不妊女性を対象に卵管造影検査後2年間の結果を調べました。
158名のうち、軽い子宮内膜症の女性が62名、原因不明不妊の女性が96名でした。
その結果、卵管造影検査を受けた女性は、受けなかった女性に比べて、検査後2年間の妊娠率が2倍になり、卵管造影検査後は妊孕性が高まることが分かりました。
そして、、子宮内膜症の女性では、卵管造影検査後半年間は妊娠率が高いものの、半年以降は違いがみられなかったことから、子宮内膜症の女性への卵管造影検査の有効性は一時的であることが分かりました。
また、原因不明の女性では、卵管造影検査の有効性は2年間続きました。
このことから、油性造影剤を使った卵管造影検査は、子宮内膜症の女性だけでなく、原因不明の不妊女性の妊孕性を高めることが分かりました。
コメント
子宮卵管造影検査は卵管が通っているかどうかを調べる検査で、不妊検査の中で、最も重要な検査の1つです。
この検査は造影剤を子宮内に注入し、それが卵管を通って、腹腔内に流れ出すようすをレントゲンで確認します。
この検査で、卵管の中や子宮腔の状態がわかります。
検査後に妊娠しやすくなるのは、油性の造影剤を注入することによって、卵管内の軽い癒着やつまりがなくなるからだと考えれます。
タイミング指導による妊娠は、卵管造影検査によるものが多いのではないでしょうか。