UMDNJ-Robert Wood Johnson Medical Schoolの研究チームは、大学病院で半年以上不妊治療や検査を受けてい女性の患者267名に、不妊治療のために職場を離れる際にそのことを上司に話すかどうかについて、そして、そのこととストレスレベルの関連性について調査するために、アンケート調査を実施しました。
その結果、上司や同僚には話さないと回答したのは43%、話すと回答したのは32%でした。残りの25%の女性はフリーランスか仕事をしていませんでした。
そして、不妊治療を受けていることを職場を離れる理由として話していても、話さなくても、ストレスレベルは変わりませんでした。
研究チームは、ストレスレベルは治療成績に影響を及ぼす要因だと考えられることから、ストレスをうまくコントロールすることが大切だけれども、治療を受けていることを職場でオープンにすることは、その人のプライバシーに対する意識の違いからであって、そのことによるストレスレベルへの影響はみられなかったとしています。
コメント
今回の研究は、職場を離れる理由を明かさないよりも、不妊治療を受けていることを上司に報告するほうが、ストレスが軽減されるのではないかという仮説のもとに着手されたようです。
ところが、職場に報告したり、同僚に告白することと、受けるストレスレベルのは関連性はなかったとのこと。
いずれにしても、仕事をもっている女性のとっては、治療と仕事の時間的、精神的なやりくりは、切実な問題です。
もしも、そのことで、ストレスを強く感じて、治療成績に影響を及ぼすようであれば、治療と仕事の両立のための努力が仇になるという皮肉なことになってしまいかねません。
決して、無理をしないで、治療と仕事を両立する工夫や努力が必要なようです。