オメガ3脂肪酸は子宮内膜症を軽減する可能性

不妊原因になる病気

2007年12月21日

Fertility and Sterlity Advance online publication

魚油や亜麻仁油などに豊富なオメガ3脂肪酸の炎症を抑制する働きは、子宮内膜症の治療の補助になることが、埼玉県大宮市の自治医科大学産婦人科の研究チームの予備的な試験で明らかになりました。

研究チームはオメガ3脂肪酸を摂取することで、子宮内膜症の病変組織の化学伝達物質や遺伝子発現がどのように変化するのかを確認するために、ラットを2つのグループに分けて、それぞれ、オメガ3脂肪酸の豊富なえさとオメガ6脂肪酸の豊富なえさを、2週間にわたって与えました。

その後、子宮に子宮内膜症の病変組織を移植し、2~4週間後に安楽死させ、それぞれのグループで子宮内膜症の病変の状態を調べました。

その結果、オメガ3脂肪酸の豊富なえさを与えられたグループでは、オメガ6脂肪酸の豊富なえさを与えられたグループよりも子宮内膜症の病変の組織が縮小していました。
厚さが、それぞれ、0.30mm、0.77mmでした。

研究チームは、オメガ3脂肪酸を摂取することで、子宮内膜症の炎症や病変の進行が抑制されると結論づけています。

コメント

魚油や亜麻仁油に豊富なオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の割合のアンバランスが、アレルギーを初めとするさまざまな炎症を引き起こしているのではないかと言われています。

アンバランスとは、オメガ3脂肪酸が不足していて、オメガ6脂肪酸が過剰に摂取されているということです。

ですから、子宮内膜症のセルフケアとして、単に、オメガ3脂肪酸を摂取するというだけでなく、脂肪の摂取バランスに留意すべきです。