体外受精の卵巣刺激によって更年期が早くなることはない

不妊改善・生殖医療関連

2008年05月19日

Reproductive BioMedicine

体外受精で卵巣を刺激し、多くの卵子を育て、採卵することが、更年期の時期を早めたり、更年期障害を重くすることはないことが、イギリスのボーンホールクリニックの調査によって明らかになりました。

1981年から1994年までの間に、不妊治療のために体外受精を受けた199人の女性を対象に調査したところ、平均して50歳で更年期が始まっており、それは、全体の傾向と変わらないことが分かりました。

また、体外受精時に使用した排卵誘発剤の量や卵巣を刺激した周期数と、更年期が始まる時期や更年期障害の重さとの相関関係はみられませんでした。

このことから、高度生殖補助医療で卵巣を刺激することは、卵巣の機能を低下させ、更年期を早めるようなことにはならないと結論づけています。

コメント

不妊治療で排卵誘発剤を使うようになると、それによって、卵子が早くなくなってしまうのではと、心配してしまう方が少なくありません。

排卵誘発剤は、卵巣内の成熟前の卵胞を、強制的に排卵させるかのような、そんなイメージがあるのかもしれません。

実際には、それぞれの周期に成長する卵胞の中から、自然に排卵する卵子以外の卵胞に働きかけて成熟を促すわけですから、今回の報告で検証されたように、排卵誘発剤を使ったからといって早く卵子がなくなるわけではないようです。

杞憂ということですね。