スウェーデンのマルメ大学病院の研究チームは、マスターベーションによる精液採取の場所が精液の質にどのように影響を及ぼすのかを調べるために、20~58歳の379名の男性を2つのグループに分けて、一方のグループ(106名)には自宅で精液を採取してもらい、もう一方のグループ(273名)は病院の採精質で精液を採取してもらい、それぞれの精液の状態を比較しました。
その結果、自宅で採取した精液のほうが病院で採取した精液よりも、精子濃度で64%、精子の運動率では54%高く、反対に奇形率は自宅で採取した精液のほうが低いことが分かりました。
このことから研究チームでは、メンタルな影響から精液の採取場所が精液の質に密接に関連すると指摘しています。
コメント
男性の妊娠する力(精液の質)は、体調やメンタルな状態に左右されるため、その時々で大きく変動すると言われています。
今回の報告によって、精液の採取時のメンタルな状態でさえ、その質に影響を及ぼすことが明らかにされました。
男性の精子は、私たちが想像している以上にデリケートなようです。
考えてみれば、精子は射精されてから、長い長い距離を泳ぎきって、そして、卵子と出会い、受精に至るわけです。
人間に置き換えると、泳ぐ距離は、大西洋を横断するくらいの距離だそうです。
精子が元気な状態にいられるように、自分たちで出来ることはたくさんありそうです。
また、精液検査の数値に、さほど、一喜一憂することもないのかもしれません。