ニューヨークのコーネルメディカルセンターでは、健康な男性35人を対象として、パロキセチン(商品名パキシル)というSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)系の抗うつ剤を、5週間に渡って服用してもらい、服用前と服用後の精子の状態を詳細に比較しました。
その結果、精子の数や運動能力、奇形にはほとんど変化はみられなかったが、DNAフラグメンテーションの割合が服用前の13.8%から、服用後には30.3%に増加していたことがわかりました。
このことから抗うつ剤は精子のDNAを損傷させ、男性の妊孕性を低下させるおそれがあるとしています。
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試験では、精子の数や運動能力、奇形などには影響はみられず、損傷を受けたDNAの割合が増加したことが確認されただけで、そのこと(DNAフラグメンテーションの増加)が、男性の妊娠させる力にどの程度の影響があるのかは、わからないとしています。
ですから、抗うつ剤が、即、男性不妊の原因になるというわけではありません。
今後もこの種類の抗うつ剤の精子への影響については、さらなる、試験を実施するとしていますので、注目していきたいところです。
いずれにしても、男性の精子は服用しているお薬の影響を受けやすいものです。
もしも、服用しているお薬はあれば、処方されている先生に確認しておくのが安心です。