PCOSによる不妊と診断された女性はどのくらい妊娠、出産に至るのか

不妊原因になる病気

2009年01月29日

Human Reproduction

ほとんどのPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断された女性は、結局は、妊娠、出産に至り、そして、その多くは、自然妊娠によることが、スウェーデンの大学の研究チームによる長期間に渡る追跡調査の結果、明らかになりました。

調査は、PCOSと診断された女性91名と対照群として健康な女性87を対象に、1987年から1995にかけて、実施されました。

追跡調査スタート時の対象者は35歳以上でした。

その結果、PCOSと診断された女性の86.7%、対照群の女性の91.6%が一人以上の子を出産し、PCOSと診断された女性で子を出産したケースの73.6%は、自然妊娠によるものでした。

また、PCOSと診断された女性の平均の卵巣容積や前胞状卵胞(成熟前の卵胞)数は、対照群の健康な女性よりも多く、さらに、PCOS女性では、卵巣の機能の高さの目安となるホルモンである、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の血中濃度が高く、反対に、卵巣刺激ホルモン(FSH)の血中濃度が低いことから、高い卵巣予備能を有することも分かりました。

コメント

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、無月経や排卵障害を招くことが多いことから、不妊の原因になりえる病気で、最近、PCOSと診断される女性が増えているとのことです。

今回の報告では、たとえ、PCOSと診断されても、結局は、ほとんどのケースでは、自然妊娠により、妊娠、出産に至っているとのこと。

PCOSは、排卵しなかったり、排卵しづらかったりしますが、卵巣の力、そのものは、健康な女性に比べて、決して、劣ることはなく、反対に高かったとしています。

このことから、PCOSと診断されても、決して、落胆せずに、無排卵や排卵障害への適切な治療を受ければ、お子さんを授かる可能性はとても高いということが言えると思います。

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