排卵誘発剤の使用と卵巣がんのリスクは関連しない

不妊治療のリスク

2009年02月09日

British Medical Journal

不妊治療で使われる排卵誘発剤の使用によって、卵巣がんの発症リスクが高まることはないと、デンマークで実施された大規模な試験の結果、明らかになりました。

デンマークがん協会の研究者をリーダーとするチームは、1963年から1998年の間に、デンマークの不妊治療クリニックで不妊治療を受けた54362名の女性を対象に、排卵誘発剤(ゴナドトロピン、クロミフェン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン)の使用の、卵巣がんリスクへの影響を調べました。

その結果、排卵誘発剤の使用と卵巣がんのリスクには関連は認められませんでした。

また、4つの排卵誘発剤すべての使用や使用周期数、追跡期間の長さ、出産歴との関連も認めれらなかったとのこと。

コメント

排卵誘発剤の使用と婦人系のがんの発症リスクとの関連については、過去には、リスクが高まるとの報告もありましたが、今回の報告は、その規模や精度から信頼できる結果であるとの見方が大半のようです。

ただし、対象者の年齢が、卵巣がんの発症が最も増える年齢に達していない女性も多いことから、今後も追跡調査を続ける必要があるとのことです。

このことから、不妊治療で排卵誘発剤することで、卵巣がんにかかりやすくなるのではと神経質に懸念する必要はなさそうです。