ヴァレンシア大学の研究チームは、2001年1月から2007年4月までに大学病院で実施された、6500周期の体外受精と顕微授精を対象に、母親になる女性の体格指数(BMI)と治療成績を分析しました。
被験者をBMIによって4つのグループに分け(20以下、20~24.9、25~29.9、30以上)、肥満度と治療成績の関連を調べました。
その結果、移植までの治療成績はグループによる違いが認められず、受精率や移植胚数、胚の質に大きな違いは見られませんでした。
ところが、移植後の妊娠率や出産率は、BMIが大きくなるほど、成績が悪くなることが分かりました。
このことから、肥満は、子宮内の着床環境を悪化させる可能性があると結論づけています。
コメント
ヴァレンシア大学では、継続してBMIと体外受精の治療成績についての試験を実施しています。
また、肥満度(BMI)と不妊治療の治療成績の関係については、さまざまな報告がなされています。
体外受精や顕微授精においては、適切な卵巣刺激を施すことで、卵子の成熟や受精卵を得ることは可能でも、子宮内の着床環境までは整えることが困難ということでしょうか。
いずれにしても、不妊治療をスタートするまえに適切な体重管理に摂り組むことが大切なようです。