研究チームは、アイルランドの約1200名の妊婦を対象に、妊娠初期に血液を採取し、ビタミンB12レベルを計測しました。
その結果、血中のビタミンB12濃度が低いほうの25%の妊婦は、高いほうの25%の妊婦に比べて、神経管閉鎖障害の先天異常の子どもを出産する割合が5倍であることが分かりました。
このことから研究チームは、葉酸だけでなく、ビタミンB12も妊娠前から摂取することで、子どもの脳やせき髄の先天異常の予防になるのではないかとしています。
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妊娠前から1日400マイクログラムの葉酸を摂取することで、脊椎二分症などの神経管閉鎖障害が50~70%に割合で発症しにくくなるといわれています。
葉酸は水溶性で壊れやすい栄養素であることから、日本の厚生労働省も妊娠前から1日400マイクログラムの葉酸を、サプリメントで摂取するように推奨しています。
今回の報告は、葉酸に加えて、ビタミンB12も摂取する必要性を示唆しています。
ビタミンB12は葉酸と協力して、赤血球の生成にかかわる栄養素で、脳や神経の正常な機能に深く関わる栄養素です。
そもそも、葉酸もビタミンB12もビタミンB群の仲間で、ビタミンB群は、それぞれが単独で働くというよりも、協働することが知られています。
このことから、今回の研究結果も当然と言えば当然であって、だからこそ、葉酸とビタミンB12だけを摂取すればよいというわけではなく、やはり、ビタミンB群、全部を摂取すべきということになります。