子宮内膜症の女性が歯周病にかかりやすい原因とは?

妊孕性に影響する因子

2009年03月31日

Fertility and Sterlity

子宮内膜症の女性は歯周病にかかる割合が高いことが、アメリカ全国健康・栄養調査の結果を分析した結果、明らかになりました。

このことから、子宮内膜症を引き起こすさまざまな複数の要因は、感染症を発症させる病原体への免疫反応によって強化されると考えられるが、子宮内膜症と歯周病のつながりは、全身に及ぶ免疫不全ではないかとしています。

1999年から2004年に実施されたアメリカの全国健康・栄養調査に登録された、4136人の女性を対象に、子宮内膜症と歯周病について調査を実施しました。

その結果、子宮内膜症の女性は、そうでない女性に比べて、歯周病jにかかる割合が、57%高いことが分かりました。

コメント

子宮内膜症は、子宮内膜組織が、卵巣や卵管、お腹の中など、子宮の内側以外のところにできる病気で、月経の度に、出血が伴うことから、強い月経痛や性交痛を引き起こしたり、またその結果として、卵管周囲に癒着が発生し、卵管の通りを悪くしたり、卵巣内の子宮内膜症によるチョコレート嚢胞で卵子がうまく育たなくなってしまうと、不妊の原因にもなり得るものです。

はっきとした原因は分かっておらず、月経時に血液が逆流すると言われたり、環境ホルモンの影響を指摘する専門家もいますが、これまでアレルギーとの関連を指摘されたこともありました。

一方、歯周病は、歯周病菌によって歯肉に炎症がおこる病気です。

ところが、それだけでなく、歯周病の原因になる菌に対する免疫反応が、歯周組織を攻撃することで起こるとする専門家もいます。

つまり、子宮内膜症も歯周病も自己免疫不全の一種だというわけですが、今回の報告は、そのことを裏付ける結果になっています。

また、これまで子宮内膜症の女性は、花粉症やアトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患をもっていることが多いとの報告もあります。

もしも、子宮内膜症が不妊の原因になっていると考えられるのであれば、対照療法によって、不妊原因を取り除くことが大切ですが、食生活や生活習慣を見直すことで、症状を緩和させることもとても重要なことです。

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