妊娠前の葉酸サプリメントの摂取は重度先天性心疾患をも予防する

生活習慣・食事・サプリメント

2009年05月15日

British Medical Jpurnal

妊娠前の葉酸サプリメントの摂取が、新生児の重度の先天性心疾患を予防する可能性のあることが、カナダで実施された調査によって、明らかになりました。

カナダ政府は、新生児の神経管欠損障害を予防するために、1998年に、すべての小麦粉やパスタに葉酸を添加することを義務づけました。

そして、先天性異常の中で最も頻度が高く発症する重度の先天性心疾患の発生率を、葉酸の添加の前と後で比べました。

その結果、葉酸を添加する前の9年間では、重度の先天性心疾患の出生時の有病率に変化はなかったのに対して、葉酸添加を義務づけた後の7年間では、年に6%の割合で低下したことが確かめられました。

このことから、妊娠前の葉酸摂取は、新生児の神経管欠損症だけでなく、重度の先天性心疾患をも予防する可能性があることが分かりました。

コメント

妊娠前から1日400マイクログラムの葉酸を摂取することで、脊椎二分症などの神経管閉鎖障害が50~70%に割合で発症しにくくなるといわれています。

葉酸は水溶性で壊れやすい栄養素であることから、日本の厚生労働省も妊娠前から1日400マイクログラムの葉酸を、サプリメントで摂取するように推奨しています。

今回の報告では、先天性異常の中で最も多い重先天性心疾患のリスクの低減にも関連するとしています。

もちろん、葉酸を摂取することで、先天性異常が完全に予防できるわけではありませんが、その発生率を低くすることができます。

妊娠前から葉酸のサプリメントを摂取することが大切です。