オーストラリアとイギリスの研究チームは、1994年から2000年の間に西オーストラリアで生まれた、一卵性双生児、4797例の出産前後の健康状態を調べました。
体外受精や顕微授精による双子が700例、自然妊娠によるものが4097例でした。
その結果、高度生殖補助医療による双子は自然妊娠による双子に比べて、早産や低体重児、死産のリスクが高く、出生直後に新生児集中治療室(NICU)に入院する割合が60%高く、出生2年目に入院するリスクも高いことが分かりました。
ただし、出生3年目になると顕著な違いは見られませんでした。
研究チームは、高度生殖医療に臨む夫婦はこのことを認識しておく必要があると指摘しています。
コメント
高度生殖医療による双子に、さまざまな健康のリスクが高くなることの原因が、体外受精や顕微授精を実施したことによるものなのか、それとも、不妊の原因にあるものなのか、よく分かっていないようです。
ですから、今回のような研究報告から、すぐに、体外受精や顕微授精を施すことによるものと受け止めるのは早計です。
それよりも、多胎妊娠のリスクとして正しく認識しておくことが大切です。
そして、最近では、体外受精や顕微授精の際に、多胎妊娠を避けるために、胚移植の際に子宮に戻す胚の数をできるだけ1個にする努力がなされるようになっています。