凍結融解胚移植は子どもにマイナスの影響を及ぼさない

不妊治療のリスク

2009年05月23日

Human Reproduction

凍結融解胚移植によって生まれた子どもの健康状態は、新鮮胚移植によって生まれた子どもに比べて何ら遜色のないことが、ヨーロッパで実施されたシステマティックレビューの結果、明らかになりました。

1984年から2008年9月に実施された凍結融解胚を移植して生まれた子どもの健康状態を調べた、21の研究報告を分析した結果、凍結融解胚移植によって生まれた子どもは、早産や低体重児、そして、先天異常のリスクについて、新鮮胚移植によって生まれた子どもに比べて変わりないことが分かりました。

試験によっては、かえって、良好な結果が得られているとのこと。

このことから胚を凍結保存したり、融解して、移植することの子どもへの影響は見られないとのこと。

コメント

体外受精や顕微授精の際に、余った胚があるとき、また、子宮内膜の着床環境がより良好な周期に胚移植するために、得られた胚を凍結保存することは一般的になっています。

身体に負担のかかる採卵を最小限に抑えられること、また、よりよい治療成績を得られることになり、患者にとってはとてもメリットの大きい治療法です。

ところが、凍結したり、融解したりする際に、胚に負荷がかかり、そのことによる子どもへの影響が懸念されることがあります。

今回の報告はそのような懸念を払拭するような結果であり、凍結保存技術が高いことが証明されたようです。