オランダの38の不妊治療クリニックに通院する5663組のカップルは、調査開始の1年以内に1098組(19%)が治療に頼ることなしに自然妊娠しました。
1098組のカップルのうち18%の199組のカップルが初期流産に終わりました。カップルの妊娠に至るまでの平均の不妊期間は1年半、女性の平均年齢は33.8歳でした。
研究チームは、この199組を対象に、流産の後、再び、自然妊娠に至るまでの期間を調べました。
その結果、2年間の追跡調査が実施できた171組のカップルにおいて、流産後2年以内に95組(56%)が、再び、自然妊娠に至り、その95組のうち86組(全体の50%)は妊娠が継続し、9組(5%)が流産に終りました。
累積妊娠率を算出すると、12ヶ月では45%、18ヶ月では63%、24ヶ月では70%とのこと。
そして、女性の年齢は、流産後の妊娠率に影響及ぼしましたが、不妊期間や男性精子の運動率、フーナーテストの結果は、流産後の妊娠率に大きなな影響を及ぼすことはありませんでした。
また、32組(19%)のカップルは、最初の流産後12ヶ月以内に不妊治療を受けていましたが、不妊治療を受けなかったカップルに比べて、妊娠に至る期間において大きな差がみられませんでした。
コメント
絶対的な不妊原因は見当たらないけれども、何らかの原因で、たまたま、一時的に妊娠する力が低下しているカップルにとっては、不妊治療をどうするかを検討するうえで、大変参考になる報告です。
なかなか授からない期間をへて、自然妊娠したけれども流産に終ってしまった場合、女性の年齢が35歳以下であれば、1年くらい、1年半を超えない程度に、自然妊娠を期待して様子をみてもいいのではと、研究チームは結論づけています。