ART治療での卵巣刺激や体外受精が子どもの神経学的発育に及ぼす影響

不妊治療のリスク

2009年09月24日

Human Reproduction

高度生殖補助医療の際に卵巣を刺激することや卵子や精子を体外に取り出して受精させることは、生後4~18ヶ月においては、子どもの神経学的な発育にマイナスの影響を及ぼさないことが、オランダで実施された試験で確かめられました。

卵巣刺激を実施した体外受精や顕微授精で生まれた子ども(68名)、自然周期で採卵した体外受精や顕微授精で生まれた子ども(57名)、自然妊娠で出生した子ども(90名)を対象に、生後4、10、18か月時点の神経学的な発育度の指標を測定し、比較した結果、それぞれのグループの子どもの間のおける神経学的な発育度において差は見られませんでした。

この結果から、高度な生殖医療において、卵巣を刺激して卵子を取り出し、体外受精、顕微授精を実施することは、生後4~18か月時点では、子どもの神経学的な発育に何ら影響を及ぼすことはないと結論づけています。

コメント

研究チームは、生後4~18か月時点では、卵巣を刺激することや卵子と精子を体外に取り出して受精させることが、子どもの神経学的な発育に影響を及ぼすことはないことが確かめられたとしています。

ただし、ART治療の子どもへの影響について、この試験で完全に把握されたわけでは決してないことから、さらなる成長過程においても慎重に追跡調査を実施するべきだと付け加えています。