子宮の大きさと不妊治療の治療成績との関係

不妊改善・生殖医療関連

2009年11月11日

Fertility and Sterility

子宮の大きさと不妊治療(IVF、ICSI)の治療成績の関係を調べたところ、大きな相関は見られなかったものの、子宮腔の長さが短いグループの妊娠率が有意に低いことが分かりました。

韓国の大学病院の研究チームは、2002年7月から2007年7月の間に、大学病院で同じ医師によって体外受精や顕微授精を受けた354名の女性を対象に、子宮腔(子宮内の空間)の長さと治療成績の関係を調べました。

対象者を子宮腔の長さによって、グループ1(7センチ未満)、グループ2(7~8センチ)、そして、グループ3(8センチ超)の3つのグループに分けたところ、それぞれのグループの妊娠率は、22.6%、39.5%、40%と、子宮の大きさが最も小さいグループの妊娠率が有意に低いことが分かりました。

コメント

子宮の大きさ、さらには、子宮の位置(前屈、後屈)が、どの程度、妊娠しやすさに影響を及ぼすものなのかについての質問や相談がよくあります。

今回の報告では子宮の大きさが最も小さいグループの妊娠率がやや低かったと報告されていますが、過去にイギリスで実施された試験では、今回と同様に、大、中、小に分けてグループでは、大と小が中に比べて、やや妊娠率が低く、大が最も低かったようです。

子宮の大きさは、不妊治療の治療成績を決定的に左右する要因にはなりえないものの、多少の影響はありそうといったところでしょうか。

今回の研究者は、子宮の大きさによる妊娠率の差について、明確な原因は分からないとしながらも、子宮の大きさが子宮内膜のボリュームに影響することで、妊娠率が左右されるのかもしれないと指摘しています。

いずれにしても、子宮の大きさや位置は、不妊の原因にはなりえないことは明確ですので、それほど心配する必要はありません。