40歳以上の体外受精、顕微授精の治療成績

不妊改善・生殖医療関連

2009年12月24日

Fertility and Sterility

母親になる女性の年齢が40歳以上の体外受精や顕微授精では、43歳以上になると42歳までに比べると、妊娠率、出産率とも大きく低下し、反対に流産率が高くなることが、エジプトで実施された試験で明らかになりました。

カイロの大学病院で体外受精や顕微授精を受けた(卵巣刺激法はロング法、もしくは、ショート法)、40歳以上の女性1645名(平均年齢41.38歳)の2386周期の年齢別の治療成績は以下の通りでした。

・採卵あたりの臨床妊娠率 17.9%

40歳  22.4%
41歳  17.2%
42歳  14%
43歳   7.8%
44歳   3.6%
45歳以上3%

・周期あたり出産率 6.7%

40歳  10%
41歳   7%
42歳   5%
43歳   2%
44歳   0.7%
45歳以上0.5%

・流産率 44.8%

40歳   39%
41歳   44.4%
42歳   51.3%
43歳   64.3%
44歳   75%
45歳以上67%

このことから、43歳以上になると妊娠率や出産率がより低下し、流産率がより高くなることから、43歳以上になると卵子の提供を受けることを検討するのが現実的であるとしています。

コメント

40歳を超えても、40、41歳は、未だ30代後半の延長という感じで、43歳以上になると、より妊娠しづらくなるようです。

また、42歳以上になると、流産率が高くなり、確率的には、妊娠しても半分以上の確率で流産に終ってしまうことになります。

卵巣年齢は個人差が大きいものですから、あくまで、一般論ですが、卵子提供が一般的ではない日本においては、治療を続けるかどうかについて、治療成績の観点から言えば、43歳が一つの目安になるのかもしれません。