2006年の日本産婦人科学会に登録されたデータから、自然妊娠のよる単胎児53939人と、体外受精や顕微授精による単胎児1408名について、死産や低出生体重児、胎児発育遅延、先天奇形、性別の比率を調べたところ、統計学的に有意な差は見られませんでした。
このことから、高度生殖医療技術を施したことで、出産前後の母子の危険性が高まることはないとのことです。
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体外受精や顕微授精による妊娠、出産の際には、低出生児体重児や早産のリスクが高くなることが知られていますが、これまでの研究では、それは、高度生殖補助医療技術を施したことによるものよりも、それに伴う多胎妊娠や母親が比較的高齢であること、また、不妊の原因に起因するものであると考えられています。
今回の報告では、2006年の日本産婦人科学会に登録された周産期データを使って、体外受精や顕微授精による妊娠と自然妊娠との出産前後に起こりうるさまざまな危険性を比較しています。
その結果、それほど大きな差は見られなかったとのこと。
もしも単胎児(多胎ではなく一人子)であれば、高度な生殖補助医療技術を施したことで、死産や低出生体重児、胎児発育遅延、先天奇形などが増えることはないことを確認しています。
登録データは2006年の日本の全ての出産数の5.8%に相当する数です。