デンマークのAarhus University Hospitalの研究者らは、母親が1984年~1987年の間に実施された「the Denmark Healthy habits for two study」の被験者だった、18~21歳の男性347名を対象に、母親の妊娠中の飲酒習慣と男性の血液と精液の検査結果を分析しました。
母親が妊娠中に飲んでいたお酒の量によって男性を次の4つのグループに分けました。
・母親が妊娠中にお酒を週に1杯も飲まなかった男性
・母親が妊娠中にお酒を週に1~1.5杯飲んでいた男性
・母親が妊娠中にお酒を週に2~4杯飲んでいた男性
・母親が妊娠中にお酒を週に4.5杯以上飲んでいた男性
その結果、母親が妊娠中に週に4.5杯以上飲んでいた男性の平均の精子濃度は、1ミリリットルあたり2500万で、母親が妊娠中にほとんどお酒を飲まなかった男性の平均精子濃度の4000万と比べて、少ないことがわかりました。
妊娠中の飲酒と男の子どもの成人後の精子濃度との因果関係は不明としながらも、男性の生殖器官が形成される時期に大量のアルコールに晒されることが、何らかの影響を及ぼしている可能性があるとしています。
コメント
妊娠中の母親の生活習慣が子どもの健康にさまざまな影響を及ぼすことは、これまでのさまざまな研究で明らかになっています。
ただし、今回の報告については被験者の数が少ないことや試験の方法から、妊娠中の飲酒が子どもの生殖能力を低下させるかどうかは明らかになったわけではありません。
いずれにしても、妊娠後は飲酒は控えるべきです。