高度生殖補助医療を実施した290の治療周期中、40%の臨床妊娠率が得られました。
男性パートナーの体格指数別の妊娠率は、標準(18.5-24.9)では53.2%、標準以上(25.0-29.9)では35.9%、そして、肥満(30.0-)では36.1%でした。
ところが、女性の年齢やBMI、移植した胚の数などの影響を排除した結果、BMIが標準を超えることによる妊娠率の低下は、体外受精では79%だったのに対して、顕微授精では25%だったことが分かりました。
このように、男性の肥満は体外受精の妊娠率にマイナスの影響を及ぼすものの、顕微授精ではそれほどでもありませんでした。
コメント
今回の試験結果は、男性の肥満は体外受精や顕微授精の妊娠率に悪影響を及ぼすこと、そして、その影響度合いは、体外受精のほうがより大きいことを教えてくれています。
体重増加による代謝異常が、精子をつくる働きに何らかの影響を及ぼすようです。
ただし、顕微授精の妊娠率をも低下させるということは、精子の数や運動率以外の質にも悪影響を及ぼしていると考えられます。
お子さんを望まれる男性は、精液検査に問題がなくても健康的な生活を心がけ、質のよい精子を育む体内環境を整えることが大切です。
たとえ、顕微授精を施しても、クリアできない問題が存在することを物語っています。