ノートパソコンの使い方が精子の質に及ぼす影響について

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2010年09月10日

Fertility and Sterility

ノートパソコンを、長時間、膝の上にのせて使用すると精巣の温度が高くなり、精子の質を低下させるおそれのあることが、アメリカで実施された試験で確かめられました。

アメリカのニューヨーク州立大学の泌尿器科の研究チームは、ノートパソコンを膝の上で使用することが、どの程度、精子の質に影響を及ぼすのかを調べるための試験を実施しました。

29名の健康な男性を対象に、ノートパソコンを次の3つのスタイルで60分間使用してもらい、左右の精巣の温度変化を測定しました。
(1)ひざを閉じて座り、ノートパソコンをひざの上に置いて使用する。
(2)ひざを閉じて座り、ノートパソコンをひざの上の台に置いて使用する。
(3)ひざを70度ほど開いて、ノートパソコンをひざの上の台に置いて使用する。

その結果、は以下の通りでした。
(1)左精巣の上昇温度:0.96~2.31℃・右精巣の上昇温度:0.91~2.56℃ 温度が上昇するまで:11分
(2)左精巣の上昇温度:0.69~2.18℃・右精巣の上昇温度:0.72~2.06℃ 温度が上昇するまで:14分
(3)左精巣の上昇温度:0.66~1.41℃・右精巣の上昇温度:0.62~1.47℃ 温度が上昇するまで:28分

このように、ノートパソコンをひざの上に置いて使用する時には、たとえ、直接ではなく、台の上にノートパソコンを置いても、ひざを開いた姿勢をとっても、左右の精巣の温度が上昇し、精子の質を低下させるおそれのあることが分かりました。

この結果、ノートパソコンをひざの上に置いて使用する際には、直接、膝の上に置かないようにし、ひざを広げて熱がこもらないようにし、かつ、作業時間を30分以内にすることを勧めるとしています。

コメント

ノートパソコンは、それ自体が熱を放射するため、ひざの上に載せて、長時間作業することは、下半身い熱をこもらせて、精巣の温度を上昇させ、精子をつくる働きを弱める可能性があると指摘されていました。

今回の試験では、実際に3つのスタイルで60分間作業をしてもらい、精巣の温度の変化を調べたものです。

ノートパソコンに限らず、車の運転など、下半身に熱がこもるような姿勢を長時間続ける場合には、熱を発散させるような工夫をしたほうがよさそうです。

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