体外受精で妊娠、出産した女性のガン発症リスクについて

不妊治療のリスク

2010年12月16日

Human Reproduction

体外受精の際の卵巣刺激等で使用するホルモン製剤で、その後の乳がんや子宮がんなどの発症リスクが高まることはないと、スウェーデンで実施された大規模な試験で明らかになりました。

スウェーデンのランド大学の研究者を中心とするチームは、1982~2006年の間に体外受精で子どもを妊娠、出産した女性24058名と、同じ期間に子どもを出産した女性1394061名の女性のその後のガンの発症率を比較しました。

その結果、体外受精を受けて出産した女性ではその後のガン発症率が2%以下であったのに対して、体外受精を受けていない女性では約5%でした。

年齢や喫煙などのリスク要因を排除した結果、体外受精で出産した女性のその後のガン発症リスクは、受けていない女性のそれよりも25%低いことが分かりました。

このことから体外受精を受けたことでガン発症リスクが高まることはないとしています。

コメント

不妊治療で使うホルモン剤の影響で、乳がんや子宮がん、卵巣がんにかかるリスクが高まるのではないかとの懸念があります。

これまでの研究では、概ね、そのような心配は無用のようです。

そもそも、ガンの発症は単一の要因によるものではなく、さまざまな要因が複合的に影響しているものと考えられます。

トータルの健康を心掛けることが大切です。

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