出生時体重や妊娠期間は胚の質よりも子宮の健康の影響が大きい

不妊改善・生殖医療関連

2011年02月22日

Fertility and Sterility

体外受精で妊娠した子どもの出生時体重や妊娠期間は、胚の質よりも子宮の健康により影響を受けることが、アメリカで実施された研究で明らかになりました。

アメリカの大学の研究グループは、2004年から2006年の高度生殖医療学会の登録データを使って、標準的な体外受精(自分の胚を自分の子宮に戻す)60037周期、提供卵子による体外受精(提供卵子を自分の子宮に戻す)10176周期、そして、代理母(自分の胚を代理母の子宮に戻す)1180周期の出生時の体重と妊娠期間を比較しました。

その結果、平均の出生時体重は標準の体外受精で3265g、提供卵子で3236g、代理母で3309gで、平均の妊娠期間は、標準の体外受精では37.7週、提供卵子では37.4週、代理母では37.2週でした。

若い女性から卵子提供を受けて、自分の子宮に戻し、妊娠し、出産した子どもの平均の出生時体重が、標準的な体外受精や代理母に比べて低いことから、子どもの出生時体重は胚の質よりも、子宮の健康により影響を受ける証拠ではないかとしています。

コメント

高齢のため自分の卵子では妊娠が困難になった場合、若い女性から卵子の提供を受けて妊娠を目指すことは、アメリカやヨーロッパの一部の国ではポピュラーな方法になっています。

また、野田聖子衆院議員がアメリカで卵子提供を受け、第三者の卵子提供を受け、子どもを出産したことが報道されました。

卵子提供を受けることで、若い女性並みの妊娠率になることから、妊娠の成立は卵子の質次第であるとされています。

ただし、出産や出産のリスクにおいては、子宮の健康のほうが影響が大きいようです。

野田さんも、予定日より約1カ月早く、帝王切開で出産し、男児は2154グラムで、野田さんは薬の副作用により肝機能の数値が悪化、胎内の子に影響が及ぶと医師が判断し、出産を早めたとのこと。

いずれにしても、体内の栄養環境を最適化し、適度な運動で血流をよくすることで子宮の健康を意識することも大切だということでしょう。