胚移植直後の安静や安静時間は体外受精の治療成績に影響しない

不妊改善・生殖医療関連

2011年04月05日

Europen Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology(155);125-128,2011

体外受精の胚移植直後の安静にしたからといって治療成績は改善されないことが、中国で実施されたシステマティックレビューで明らかになりました。

過去に実施された胚移植直後の安静時間とその後の治療成績の関係を調べた3つの試験の結果を統合して分析しました。

1つは安静時間なしと30分の安静時間を設けた場合、2つは20~60分の安静時間と24時間の安静時間をもうけた場合のトータルで724人の女性の着床率を比較していました。

その結果、安静時間を設けなかった場合と30分の安静時間を設けた場合、20~60分の安静時間を設けた場合と24時間の安静時間を設けた場合の着床率に違いは見られませんでした。

このことから胚移植直後の安静時間は体外受精の治療成績に影響しないと結論づけています。

コメント

体外受精の胚移植後は安静時間を設けても、設けなくても、治療成績には影響しないとのこと。

ただし、日本では胚移植後は1~2時間程度の安静時間を設けているクリニックが多いようです。

また、人工授精後は15分程度の安静時間を設けるほうが妊娠率が高いとの報告があります。