45歳以上ではじめてお子さんを妊娠、出産することの健康リスクについて

不妊治療のリスク

2011年04月19日

Fertility and Sterility

45歳以上の女性がはじめての子どもを妊娠、出産した場合、10人に8人の割合で、何らかの健康上の問題がおこり、ほぼ半数で低体重出生児になることが、イスラエルの研究で明らかになりました。

イスラエルの研究グループは2004年から2008年の間に45~65歳ではじめての子どもを出産した131人の母親の妊娠、出産時の記録を調査しました。

その結果、妊娠糖尿病が10人に1人、妊娠中毒症(子癇前症)が10人に2人という割合で発症しました。

また、3人に1人hが早産で、ほぼ全員が帝王切開でした。

一方、45~49歳ではじめての子どもを出産した女性では子どもの体重が2500グラム以下の低出生体重児だったのは3人に1人だったのが、50歳以上になると3人に2人の割合になり、母親の年齢が高くなるほど、低出生体重児が増加しました。

コメント

晩婚化などが急激に進行し、妊娠、出産年齢が高齢化しているのが先進国に共通な状況のうようです。

そんな中で、体外受精や顕微授精のような高度生殖医療技術が進歩と普及したものの、年齢による卵子の老化については治療効果が期待できません。

ところが、自分の卵子では妊娠、出産が望めなくなった女性でも、若い女性から卵子提供を受けることで、妊娠、出産が可能になりました。

日本では卵子提供による妊娠、出産はまだまだ一般的な選択肢にはなり得ていませんが、先日、国会議員がアメリカで卵子提供を受けて、50歳で妊娠、出産したことが報道され、今後、関心が高まることは間違いありません。

ところが、若い女性から卵子の提供を受けても、子どもを子宮で育て、出産する際には、母親にも、子どもにもさまざまな健康上の問題が高い確率で発生することも知っておかなければなりません。

キーワード