ボストンIVFセンターで、ストレス軽減プログラムと治療成績の関係を調べるために、初めての体外受精を受けようとしている143名の女性患者(40歳以下)を対象とした試験を実施しました。
被験者として適格とみなされた97名を無作為に10セッションのプログラムを受けるグループ(46名)と受けないグループ(51名)に分け、2周期の体外受精の妊娠率を比較しました。
プログラム受講グループの受講状況は、治療がスタートする時点では半分のセッションが終了していたのは全体の9%、2周期目の治療がスタートする時点では76%でした。
その結果、1周期目はプログラム受講グループも受けないグループも43%が妊娠に至りましたが、2周期目にはプログラムを受けた女性は52%が妊娠に至ったのに対して、受けていなかった女性では20%でした。
このことから、ストレス軽減プログラムは体外受精の治療成績の向上に関係することが分かりました。
コメント
ボストンIVFはアメリカの最大の不妊治療専門クリニックで、不妊治療のメンタル面のサポートとして、ストレスを軽減するプログラム「Mind/Body Programs」を提供しています。
Alice Domar博士を中心とした専門家が作成、実施するもので、認知行動療法,イメージ療法をベースとしたリラクゼーション法や呼吸法、瞑想、鍼灸、栄養療法、エキササイズなどです。
体外受精を受けるにあたって、いかにストレスを軽減するかは治療成績に関わってくるようです。
それぞれにふさわしい方法をみつけ、実践することが大切だと思います。