1997~2003年にデンマークで実施された母親と子どもの健康に関する全国レベルの追跡調査「the Danish National Birth Cohort (デンマーク国民出生コホート研究)」に参加した女性、35,897名を対象に、妊娠前後12週間のマルチビタミンミネラルのサプリメントの摂取と早産や子宮内胎児発育遅延の関係を調べました。
その結果、マルチビタミンの摂取と早産の関係は妊娠時のBMIによって異なり、妊娠時のBMIが25未満では、マルチビタミンミネラルのサプリメントを妊娠前後に摂取していた女性は早産が16%低いことが分かりましたが、BMIが25以上では差はありませんでした。
また、子宮内胎児発育遅延との関係はBMIに関係なく、妊娠前後にマルチビタミンミネラルのサプリメンを摂っていた女性は、子宮内発育遅延が17%低いことが明らかになりました。
このことから妊娠前後にマルチビタミンミネラルを摂取することは、早産(BMIが25未満の女性にとって)や子宮内発育遅を減らす可能性があるとしています。
コメント
早産とは、22~36週で出産することを言い、5%、すなわち、20人に1人の割合で起きていて、増加傾向にあります。
また、子宮内胎児発育遅延は、その名前の通り、母親のお腹の中にいた週数に応じた発育がみられない状態をいいます。
出生後の子どもの健康に影響を及ぼすことことから、避けたほうがよいのですが、その原因はさまざまで複合的です。
母親の妊娠前後の栄養状態(低栄養)だけでなく、喫煙や体重、また、多胎妊娠、さらには、糖尿病や心臓病などの持病、さまざまな妊娠合併症も早産のリスクを高めます。
今回の報告は妊娠前後にマルチビタミンミネラルを摂ることで、早産や子宮内胎児発育遅延のリスクが低くなる可能性があるというものでしたが、サプリメントさえ摂っておれば、早産や子宮内胎児発育遅延にならないというわけではありませんが、妊娠や出産にふさわしい身体にするための一つの方法として、妊娠前からマルチビタミンミネラルを摂ることは大切なことです。