スペインのナバラ大学の予防医学yや公衆衛生、産婦人科の研究チームは、2万人以上のスペインの大学卒業生を対象にした疫学調査において、食生活のパターンの傾向が地中海式料理と西洋料理にどれだけ近いか、それぞれ4段階に分けました。
アンケートで不妊治療を受けたことがあると回答した485名の女性とその対照群として年齢等の条件をあわせた1人以上の子どもを出産した1669名の女性の食生活のパターンを比較、分析しました。
その結果、妊孕性に影響を及ぼす可能性にある要因を排除したところ、地中海式料理に最も近い食生活のパターンの女性は、最も遠い食生活のパターンの女性に比べて、妊娠しづらくなる割合が44%も低いことがわかりました。
一方、食生活のパターンが西洋料理に近いかどうかは、妊孕性に関連しませんでした。
このことから、地中海式料理に近い食生活は妊孕性を高めるのではないかと考えられるとしています。
コメント
地中海式料理の特徴は以下の通りです。
・野菜、果物の摂取量が多い。
・全粒粉を使っている。
・脂質はオリーブオイルが中心。
・ナッツ類、ベリー類、豆類、イモ類の摂取量が多い。
・魚、鶏、乳製品を少量から中量、赤身肉の摂取は少ない。
・卵は週4回以下。
・少量から中量のワインを食事と一緒に飲む。
このような食生活の傾向は、そもそも、さまざまな病気にかかりにくくなることが、これまでの多くの疫学調査で明らかになっています。
つまり、健康的な食生活、イコール、妊娠する力を高めてくれるということに他なりません。
これだけの規模で食生活と妊孕性の関係を調べた研究はそれほど多く実施されているわけではないので、大変参考になります。