受精前の食生活と体外受精や顕微授精の治療成績との関係

生活習慣・食事・サプリメント

2012年06月19日

Human Reproduction

オランダ栄養センターの食生活ガイドラインに忠実な食生活を送っていたカップルほど、体外受精や顕微授精の治療成績が良好であると、オランダのエラスムス大学医学部付属病院の産婦人科の研究チームが発表しました。

大学病院で初めて体外受精や顕微授精を受けたカップルを対象に妊娠前の食生活と治療成績との関係を調査、分析した結果です。

研究チームは、治療開始時のアンケート調査で、何をどれだけ食べているか」についての以下の6つの質問に対してYesと答えた数を1~6のポイントで評価し、半年後に、初回の体外受精や顕微授精の治療成績との関連を分析しました。

1)毎日、全粒粉パンを最低4切れ食べている【穀物】
2)一価不飽和脂肪酸、もしくは、多価不飽和脂肪酸を使っている【脂質】
3)毎日、200g以上の野菜を食べている【野菜】
4)毎日、2切れ以上の果物を食べている【果物】
5)週に、肉、もしくは、肉の替わりになるものを3S以上食べている【肉】
6)週に、魚を1S以上食べている【魚】

女性の年齢や喫煙の有無などの治療成績に左右する要因の影響を統計学的に排除したところ、食生活の評価ポイントが高いほど妊娠率も高く、当てはまる項目が多いほど、妊娠率も高く、1項目あたり、妊娠率が1.65倍になりました。

このことから、妊娠前の"バランスのよい食生活"は、体外受精や顕微受精などの高度生殖補助医療で妊娠を目指すうえで、よい影響を及ぼすことが明らかになったとしています。

コメント

オランダのロッテルダムにあるエラスムス大学医学部付属病院の産婦人科は、妊娠前の食生活と妊娠する力や子の先天異常の関係について、これまで精力的に研究し、多くの論文を発表しています。

因みにオランダ栄養センターのガイドラインは、全粒穀物や不飽和脂肪酸、野菜、果物、肉、魚など、6つの食材の1日の目安摂取量を決めているもので、日本の農林水産省の「食事バランスガイド」にあたるもののようです。

たとえ、高度生殖補助医療にステップアップしても、バランスのよい食生活を心掛けることが大切なようです。

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