ノルウェーの国立公衆衛生研究所の研究チームは、2002年~2008年に生まれた85,176人の子どもを対象に、母親が妊娠前の最終月経の初日の4週間前から8週間後の間の葉酸サプリメント摂取と自閉症スペクトラムの発症リスクの関連について調査しました。
その結果、270人が自閉症スペクトラムと診断されました。その内訳は114名が自閉症、56名がアスペルガー症候群、そして、100名が特定不能の広汎性発達障害でした。
母親が葉酸を摂取していた場合の自閉症の発症率は0.10%だったのに対して、葉酸を摂取していなかった場合の発症率が0.21%でした。アスペルガー症候群や特定不能の広汎性発達障害と母親の葉酸摂取との関連性は見られませんでした。
コメント
妊娠前から葉酸のサプリメントを摂取すると、子どもの神経管閉鎖障害などの先天異常のリスクが低くなることは明らかになっていますが、今回の研究では、自閉症のリスクも低いことが確かめられたようです。
調査を実施したノルウェーの国立公衆衛生研究所の研究チームは、今回の結果では因果関係はわからないが、妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸のサプリメントの摂取が推奨されるとしています。