イタリアのパドヴァ大学の研究チームは、正常な精子の10名の男性に、3か月間にわたって、週に2回、80~90℃のサウナに15分入ってもらい、試験開始時と3か月間のサウナ入浴期間後、そして、サウナ入浴期間終了3ヶ月後と6か月後に、精液検査と血液検査を実施、サウナ入浴が精子をつくる働きに及ぼす影響を調べました。
その結果、3ヶ月のサウナ入浴期間後、精子濃度や精子運動率が著しく低下しました。その一方で、生殖ホルモンについては変化はありませんでした。
また、精子DNAの状態は損傷を受け、ミトンドリアの機能も低下していました。
そして、3か月のサウナ入浴期間後のこれらの変化は、その3か月には元に戻りました。
コメント
精巣の温度が上昇すると精子をつくる働きが低下することはよく知られていると思いますが、サウナの入り方を一定にして、精子の状態をその前後で比較した試験は初めてのようです。
15分のサウナを週に2回程度でも精子濃度や運動率は大きく低下し、大切な精子DNAのダメージやミトコンドリアの機能の低下を招くようです。
ただし、決して、致命的なものではなく、サウナに入らなくなれば元に戻るようです。
サウナだけでなく、長風呂や長時間同じ姿勢で作業する習慣なども注意したほうがよいかもしれませんね。
また、高熱の影響を心配されることも多いと思いますが、一時的な精巣の温度上昇による精子へのダメージは、その後、回復することも知っておいたほうがよいと思います。