妊娠中のカフェイン摂取は低出生体重児のリスクを高める

生活習慣・食事・サプリメント

2014年10月18日

Bio Med Central Medicine

妊娠中にカフェインの摂取が多くなればなるほど低出生体重児出産のリスクも高くなることがシンガポールの研究者らのシステマティックレビューによってわかりました。

過去に実施された妊娠中のカフェイン摂取と低出生体重児(出生時体重2,500g未満)の出産リスクとの関連を調べた複数の研究のデータを統合し、分析しました。

その結果、1日の摂取量が50〜149mg程度でも、ほとんどカフェインを摂らない人に比べて低出生体重児出産リスクが13%、1日に150〜349mgの摂取では38%、1日に350mg以上になると60%上昇しました。

そして、1日のカフェイン摂取量が100mg増加するごとに、低出生体重児の出産リスクが13%高くなり、1日のカフェインの摂取量が多くなればなるほど、低出生体重児を出産するリスクも高くなることがわかりました。

コメント

妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、流産しやすくなったり、お腹の中の赤ちゃんの発育が遅れ、小さな子どもの出産につながることがこれまでの研究でわかっていました。

妊娠中はカフェインの代謝能力が低下することに加えて、カフェイン入りの飲み物を飲むと、速やかに吸収され、妊婦の場合は胎盤を通過し、胎児に移行するといいます。

そして、カフェインは血管を収縮させる作用があることから胎盤の血流量を少なくし、さまざまなリスクが高まるのではないかと考えられているようです。また、胎児にはカフェインを代謝し、排泄する働きが出来上がっていないために蓄積されやすくなり、そのことの影響は完全にはわかっていないとのこと。

今回の研究では妊娠中のカフェイン摂取量が多くなるほど低出生体重児の出産リスクも高くなることを確かめました。低出生体重児は、新生児の健康の問題だけでなく、成人後に生活習慣病にかかりやすくなることがわかっています。

ほとんどカフェインを摂らない人に比べて、1日の摂取量が50〜149mgで13%、150〜349mgの摂取で38%、350mg以上になると60%上昇するとのことですが、コーヒー1杯でだいたい100mgくらいだそうですので、コーヒー1杯でも多少の影響があるということになります。

カフェインの代謝能力は個人差が大きいことから全員にあてはまるわけではありませんが、妊娠後はカフェインを摂らないほうが無難かもしれません。