スタンフォード大学の研究者らは、501組の妊娠を望むカップルの男性パートナーを対象に下着の種類と精子の質の関係を調べました。
まずは、下着の着用状況を4種類「ブリーフ(密着度高)、ボクサーブリーフ(密着度中)、ボクサー(密着度低)、着用しない」にわけ、昼と夜にわけてを調べたところ以下の通りでした。
一方、調査スタート時と1ヶ月後に自宅で採取した精液を精子クロマチン構造検査で、精子の質の目安となるDFI(精子DNA断片化率指数)とHDS(高 DNA 染色性)を測定しました。
下着の着用状況と精子の質との関係を調べた結果、夜はボクサー、もしくは下着を着用しない(精巣温度が低いと推測される)男性は、昼も夜もブリーフを着用していた(精巣の温度が最も高いと推測される)男性に比べて、DFIが低いものの、HDSは高いことがわかりました。
また、昼にボクサーを着用し、就寝時には下着をつけていない男性はDFIが最も低いことがわかりました。
このことから男性は、密着度の高い下着をつける時間が長くなるほど精子の質が低くなることがわかりました。
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男性の精子をつくる働きは熱に弱いことから、男性の精巣(陰嚢)は体の外にぶら下がっている格好になっていると言われています。そのため、同じ姿勢で長時間座ったり、サウナやお風呂に長時間入ったりして、下半身の温度が上昇すると精子をつくる働きが低下することはわかっています。
今回の研究は男性の下着の種類や着用状況と精子の質との関係を調べています。
精子の質はSCSA(精子クロマチン構造検査)と呼ばれている検査で、DFIやHDSを測定しています。検査会社によりますと、DFIは精子DNA損傷度をあらわす指数で、DFIが30%以上の場合、人工授精に比べて体外受精のほうが妊娠率が高く、また、HDSは精子形態形成時の成熟過程で精子核が十分に凝縮されなかった未熟な精子の割合で、HDSが 10% 以上の場合、体外受精の方では人工授精に比べて妊娠率が高いと報告されているとのこと。要するにDFIやHDSが高いほど精子の質が低くなるということになります。
研究結果は予測された通り、肌に密着する下着は精子の質を悪化させることを示唆するものでした。これは肌に密着するような下着を着用することで熱がこもりやすくなり、精巣の温度が上昇ことによるものと考えられます。
昼にボクサーを着用し、就寝時のは下着をつけないのが精子の質には最もよいスタイルのようです。