リオデジャネイロの大学、Centro Universitario Estadual da Zona Oesteの研究グループはアサイ(Euterpe oleracea)の果実の子宮内膜症抑制効果を検証すべく、子宮内膜症を移植したモデルマウスを用いた試験を実施しました。
20匹のモデルマウスを無作為に2つのグループにわけ、一方のグループには生理食塩水に溶かしたアサイーエキスを、もう一方(対照群)には生理食塩水のみを30日間胃管から投与し、子宮内膜症の病変の大きさ、そして、増殖や炎症の目安になる物質を測定しました。
その結果、アサイーエキスを投与したグループのマウスの子宮内膜症病変は対照グループのそれに比べて有意に縮小し、子宮内膜症が改善されていることがわかりました。
このことから、アサイーエキスは子宮内膜症を軽減させる働きがある可能性が認められました。
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子宮内膜症とは子宮の内側以外、たとえば、卵巣や卵管、そして、子宮の周囲の組織に子宮内膜できてしまう病気です。子宮の内側と同じように厚くなり、はがれ落ちて、出血することが、毎月繰り返されることで、炎症が起こったり、その周りの組織同士が癒着して、ひどい場合は臓器が変形することもあり、不妊症の原因になることがあります。
子宮内膜症が発症してしまうと完治は困難なので、症状を悪化させないことが大切ですが、これまで、新鮮な野菜や果物、乳製品、オメガ3脂肪酸、そして、ビタミンDは子宮内膜症にかかりにくさと関係するとの研究報告があります。
今回、ブラジルのアマゾン原産の果実、アサイーのエキスに子宮内膜症の抑制効果がある可能性がマウスを使った実験で確かめられました。
動物試験の結果であり、必ずしも人間にあてはまるとは限りませんし、どれくらいの量をどれくらい摂取すれば効果が期待できるのかも不明です。
ただし、アサイーのようなポリフェノールが豊富な自然の産物には、抗酸化、抗炎症作用をはじめ、さまざまな健康に寄与する働きがあることがわかっています。
いろいろな種類の野菜や果物を食べる中で、アサイーも加えてみてもいいかもしれません。