ノルウェー科学技術大学の研究グループは、母体の血中ビタミンB12値と妊娠期間、及び、出生児の体重との関連を調べるべく、これまでの研究論文を統合し解析しました。
22件の試験(11,993名)が抽出され、その中から18件の試験(11,216例)を対象として解析を行った結果、妊婦のB12値は出生児の体重と関連しなかったものの、妊婦のB12値が高いほど早産リスクは低下し、B12が欠乏(148pmol/L未満)すると早産リスクの21%の上昇と関連しました。
そして、それに伴い、ビタミンB12の欠乏は新生児の低出生体重児のリスクの15%の上昇と関連しました。
この結果から妊娠中のビタミンB12の欠乏は早産リスクの上昇と関連することがわかりました。
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ビタミンB12は、その名前の通り、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種で、体内に取り込まれるとメチルコバラミンやアデノシルコバアミンに変換され、葉酸とともに補酵素として造血や核酸の合成に関わっています。
そのため、妊娠、出産の際に大変重要な役割を担っていることから、妊娠前後ビタミンB12の欠乏は母体だけでなく、胎児や出生児の健康にもマイナスの影響を及ぼします。
今回の結果は先進国でも途上国とも同じだったとのこと。
ハーバード大学の研究グループによるEARTH Studyでは血中の葉酸やビタミンB12濃度が高いほどその後の体外受精や顕微授精で出産まで至る確率が高いことが確かめられています。
また、ビタミンB群を十分に摂取している女性は不足している女性に比べて環境ホルモンによる生殖機能を低下させる影響を受けにくいことが中国の研究で確かめられています。
葉酸だけでなく、ビタミンB12も妊娠前から不足を避けたい栄養素ですが、ビタミンB12はほとんど動物性食品にしか含まれていないため、菜食主義や野菜中心の食事では不足しやすくなります。