砂糖入り清涼飲料水の摂取量と自然妊娠確率との関係

生活習慣・食事・サプリメント

2018年02月18日

Epidemiology

カップルのいずれかが1日に1本以上の砂糖入り清涼飲料水を飲むことは自然妊娠率の低下に関連することがアメリカで実施された研究で明らかになりました。

ボストン大学公衆衛生大学院の研究チームは、妊娠を希望するカップルの砂糖入り清涼飲料水の摂取量と妊娠しやすさの関係を調べるために、アメリカ合衆国とカナダ在住の3,828名の女性とその男性パートナー1,045名を対象に前向き研究を行いました。

被験者は、女性の年齢が21-45歳で妊娠を希望してから最長6周期を経過し、不妊治療を受けていないカップルで、最初に、直近1ヶ月間の飲料(砂糖入り清涼飲料水、ダイエット飲料、果物ジュース、栄養ドリンク、スポーツ飲料)の摂取量を含む質問票に回答してもらい、妊娠の成立、もしくは、最長で12回の月経周期迄、妊娠の有無について追跡調査し、カップルの清涼飲料水の摂取量と妊娠までに要した期間から算出した妊娠率との関係を統計解析しました。

年齢や生活習慣などの要因も影響を排除するように調整した後、週に7本以上の砂糖入り飲料を飲む女性は飲まない女性に比べて周期あたりの妊娠率は19%低下(FR=0.81; 95%CI: 0.70,0.94)し、同様に週に7本以上砂糖入り飲料を飲む男性は飲まない男性に比べてパートナーの女性の妊娠率は22%低下(FR=0.78; 95%CI: 0.63,0.95)しました。

砂糖入りソーダの摂取量はさらなる妊娠率の低下に関連し、1日に1本以上砂糖入り炭酸飲料を飲む女性は飲まない女性に比べて妊娠率は25%低下(FR=0.75; 95%CI: 0.59,0.95)し、同様に1日に1本以上砂糖入り炭酸飲料を飲む男性は飲まない男性に比べてパートナーの女性の妊娠率は33%低下(FR=0.67; 95%CI: 0.51,0.89)しました。

このことから週に7本以上の砂糖入り清涼飲料水を摂取することで自然妊娠の確率が低下することが示唆されました。

コメント

これまで砂糖入り清涼飲料水の摂取量と体外受精の治療成績との関連については、いくつかの研究報告がなされていますが、自然妊娠するまでに要する期間との関係を調査した研究がはじめてだったようです。

結果は、カップルの女性、男性のいずれかにおいても、1日に1本以上の砂糖入り清涼飲料水を飲むことは、自然妊娠に至るまでより長い期間かかるというものでした。

妊娠希望のカップルにとって、飲み物はミネラルウォーターやお茶などにしておくのが無難なようです。