ハーバード公衆衛生大学院の研究者らは、マサチューセッツ総合病院で不妊治療を受けている女性の男性パートナーを対象に下着のタイプ(ゆったりしたタイプか肌に密着したタイプ)と精液所見の関係を調べるべく横断研究を実施しました。
656名の男性に過去3ヶ月間、主にはいていた下着のタイプを回答してもらったところ、345名がボクサータイプのゆったりしたタイプの下着を、311名がボクサータイプイ以外の肌に密着したタイプの下着をはいていたことがわかりました。
普段からボクサータイプの下着をはいていた男性はそれ以外のタイプの下着をはいていた男性に比べて、精子濃度が25%(95% CI=7,31%)、総精子数は17%(95% CI=0, 28)、総運動精子数は33%(95% CI=5,41%)高いことがわかりました。
また、ボクサータイプの下着をはいていた男性はそれ以外の下着をはいていた男性に比べて、FSH値が14%(95% CI=-27,-1%)低いこともわかりました。
この研究で、普段、肌に密着した下着をはいている男性では熱がこもることで精巣の温度が上昇し、精子をつくる働きが低下することで精液所見が悪化し、それに伴いFSH値が上昇する可能性が示されました。
コメント
男性の精子の数が減っているという研究報告がなされています。その原因としては、生活環境やさまざまな生活習慣によって精巣の働きが低下しているのではないかと考えられています。
具体的には環境ホルモンや肥満の蔓延、食事の質の低下、精巣温度の上昇などです。
精子をつくる働きは高温の弱いため、同じ姿勢で長時間座ったり、サウナやお風呂に長時間入ったりして、下半身の温度が上昇すると精子をつくる働きが低下することはわかっています。
今回の研究では、下着のタイプ、ゆったりしたタイプか、肌にフィットしたタイプかの影響について、不妊治療を受けているカップルの男性パートナーを対象に調査しました。
お子さんを望む男性、特にパートナーの女性が不妊治療を受けている男性は、ゆったりしたタイプの下着を選ぶのが無難なようです。