食事パターンと流産に関する今までの研究には、相反する報告もあることから、今回中国の研究者たちによって、妊娠前後の女性の食事と流産リスクの関係について、調査が行われました。
調査では、今までに行われた研究から6件を抽出し、食事の摂取量と流産リスクの関係について、分析を行いました。
分析の結果、以下の食品群の摂取量が多いほど、流産リスクが低下することが示されました。
・果物(流産リスク:0.39倍)
・野菜(流産リスク:0.59倍)
・果物と野菜(流産リスク:0.63倍)
・魚介類(流産リスク:0.81倍)
・乳製品(流産リスク:0.63倍)
・卵(流産リスク:0.8倍)
・シリアル(穀物)(流産リスク:0.67倍)
これらの健康的な食品を含む食事パターンや、食事性抗酸化指数 (DAI: Dietary Antioxidant Index)の高い食事に関しても、流産リスクを低減させる可能性が示されました。
一方で、肉、脂肪と油、砂糖、また特定の食事パターンと流産リスクとの関連は明らかにならなかったとのことです。
以上のことから、健康的で質の高い食事、または炎症度の高い食事や加工度の高い食品の少ない食品を摂ることは、流産リスクの低減につながる可能性があり、健康的な食事が原因不明の不妊や母児の健康によい影響をもたらすことを示しています。
コメント
食事と流産リスクに関して、今までに行われた研究から総合的に分析を行ったものです。
結果として、果物、野菜、魚介類、乳製品、卵、穀物といった食品を多く含む食事を摂っていた女性は、流産のリスクが低かったというものです。
流産の原因は、不明なものも含めて多岐にわたりますが、妊娠している女性のうち、上記の食品をあまり摂らない女性や、加工食品を多く摂る女性は、食生活を改善することを考えてみてもよいかもしれません。