これからどうしてよいのか分からないままです。

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Questionご質問・ご相談内容

これからどうしてよいのか分からないままです。

生理がまだ来ないときの不安と期待、生理が来たときの精神的な落胆。
1ヶ月間に気持ちの変動が大きくとても疲れてしまいました。
年齢のことを考えると夫婦での生活を考えた方がよいのか、でも諦めきれない気持ちも強くあります。
夫婦でよく話はしていて、とても理解を示してくれますが、精神的に落胆した時には、自分でもどうしてよいのか分からないぐらい、主人にも当り散らしてしまします。
そんな自分にも、もう嫌気が差しています。
これからどうしてよいのか分からないでいます。

お名前:まこ  性別:女性  年齢:38
結婚歴:8年  不妊期間:6年9ヶ月  不妊治療期間:6年9ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)/卵管通気・通水/子宮卵管造影  これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)/AIH(人工授精)

Answer【回 答】

望んでいるにもかかわらず、授からない期間が長くなって、かつ、不妊治療を受けていると、どうしても、毎月やってくる"可能性"への期待が大きくなり、生理がやってくると、それまでの期待が大きいほど、落胆、失望も大きくなるものです。

まさに、気持ちがアップ、ダウンを繰り返すので、ジェットコースターに例えられるゆえんです。

メールの文面からは、少し、混乱されているようですので、私たちの客観的な目で、今の状況について思うところを述べさせていただきます。
それを読むことで、多少なりとも、まこさんとご主人の気持ちや考えの整理がついて、冷静に、前を向いていただけるようになれば幸いです。

まこさんに是非とも、知ってもらいたいことを挙げていきますね。

【その1】薬の影響のこと

まこさんの気持ちが大きく変動してしまったり、不本意にもご主人にあたったりするのは、もしかしたら、お薬の影響かもしれません。

ホルモンは、私たちのカラダや心の働きに、直接影響を及ぼす物質です。
そして、1つのホルモンの働きは期待する器官で、期待する働きをしてくれるものの、それ以外にも、いろいろな器官で、いろいろな働きをする可能性があるわけです。いわゆる、お薬の副作用ですね。ですから、心に対してもいろいろな影響を及ぼすことは十分に考えられるのです。
まこさんが感じている"本来の自分らしくない心の動きや言動"は、おそらく、ホルモン剤の影響である可能性がとっても大きいと思われます。

なので、まこさんが、悪いのではないのですよ。辛くなるほど、 自分を責めたり、自己嫌悪に陥いる必要はないんです。

【その2】妊娠しない、妊娠しづらいということ

7年弱の間、妊娠しないというのは、やはり、妊娠を妨げている何らかの原因があると考えるべきですよね。ところが、これまでの検査からは、特に問題はなかったようです。

何かが、問題であるのにもかかわらず、それが、なんなのか、よく分からない、だから、この先、なのをどうすれば、いいのか、皆目、見当もつかない、となりますよね、当然です。

そうです、確かに、いったい、どうなっているの?という気持ちになりますよね。
でもですね、それって、おかしいことではなく、妊娠に至る全てのプロセスを、完璧に観察できるわけではなく、検査といっても、確認できることは、"氷山の一角"といっても過言ではないかもしれません。

だからといって、医療や検査が信用ならないと言っているわけではありません。
それほど、生命の誕生のプロセスは、人智を超えた領域で進むというところがあるので、全てを完璧に把握することは難しく、突き詰めて考えれば、考えるほど、袋小路に迷い込んでしまいがちなのでは、ということを知って欲しいのです。

なので、どっちみち、自分達の思い通りにならないところがあるわけですから、もっと、大きい力にゆだねてしまうのが現実的かもしれません。

【その3】不妊治療について

このように、なぜ妊娠しないのか、明確に分からないケースの方が多いくらいですから、不妊治療を受けるとなっても、どんな治療が効果的なのか、実は、よく分からないままに治療を始めるのが普通なのです。

ちょっと、いい加減に聞こえるかもしれませんね。
そうです、当てずっぽう的なところが、どうしてもあるのです。
さらに、さらにですよ!
仮に、適切な治療を受けていても、その成功率、すなわち、妊娠率は、100%ではないんです!
因みに、背景となる条件にもよりますが、人工授精で10数%、体外受精でも20数%です。

なので、こんなに治療をうけても妊娠できないのは、よっぽど、自分のカラダがダメなんだ、なんてことはないんです。

ということは、ちょっと、冷静に考えてみると、治療をして、その結果を見ながら、徐々に原因を突き止めていく治療なのですから、医師の能力というか、技量がとっても大切なんです。

なぜなら、医師の判断によっては、不必要な治療を延々、続けてしまうことになりかねないからです。
そうなれば、既に述べたように、治療にはさまざまな副作用があるのが普通ですから、そうこうしているうちに、もっと、妊娠しづらくなってしまうことも十分にあり得るのです。


さて、ここまでくれば、少しは整理されたでしょうか?


次に、 今後のことをどのように考えればよいのか、ご参考にしていただける考え方をお話します。

これまで、2件の病院で、タイミング指導を受け、ホルモン療法をトータルで、4年半くらいになられるでしょうか。

まずは、まこさんご夫婦のお考えは別として、適切な不妊治療という観点で申しますと、やはり、このままホルモン剤を使いながら、タイミング指導を続けられるよりも、
治療のステップアップを検討されるのが無理のない考え方かと思われます。

そして、特に、不妊原因が見当たらないということであれば、具体的には体外受精ということになるのでしょうか。
もちろん、本来、体外受精は、卵管がないとか、両側の卵管が閉塞しているケースに適用された治療であったのですが、最近では、原因不明の不妊症で自然妊娠が難しいケースに適用されているのが現実です。

それは、卵巣から排卵された卵子がうまく卵管に取り込めないとか、検査では見つけられないような、卵子と精子が出会えない事情や、出会って受精しても子宮にたどり着けない可能性もあるからです。

また、これまでは確かめようがなかった受精のプロセスが、直接確認できるという検査的な意義もあると言えます。

いかがでしょうか?

まだまだ、取り組めることは色々あるということです。

ただし、体外受精にステップアップされるうえで、押さえておいて欲しいことが、いくつかあります。

まずは、治療としては、もっともカラダ(まこさんの)に負担がかかります。
そして、費用もこれまでとはケタは違います。
さらに、なんと言っても、妊娠というプロセスに医療が介入する度合いが、今までとは全くレベルが違うということ。

次に、それほど高度な治療とは言えども、前述の通り、成功率が20数%ですから、決して高い確率ではないですよね。

ただ、これまでの治療とは、全く異なるアプローチをするわけですから、ただの、成功率という数字には表れない意味はもちろんあるといえます。

これらを考慮に入れても、それでも、やはり、お子さんをご夫婦ともども、望まれるのか、それをお二人でじっくりと話しあうべきです。

そして、ステップアップを決意されたのであれば、もう一つ、予め、何回まで、治療を受けられるのかを決めて、はじめることをお勧めします。
もっと言うと、それでも、妊娠できなければ、お子さんを諦める覚悟を決めてください、ということです。

最後に、今、現在、通院されておられるところが、体外受精という高度な治療を受けるに相応しい施設かどうかも冷静に判断すべきです。

いかがでしょうか?

最後に、まこさんには、よく話しをしてくれて、とても理解を示してくれる、そんな思いやりのあるご主人がそばにおられます。
それって、最高に幸せなことだと思います。

ご希望が叶うことを心より、お祈りしています。

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