PCOSによる排卵障害が不妊の原因である可能性が高いとのことですね。
ご承知にように、PCOSは排卵が起こりにくくなったり、無排卵になるために、妊娠しづらくなってしまう場合が多いというものです。
妊娠のためには、排卵が起こることが絶対条件です。
当然、治療の目的も、排卵を起こすことにあります。
一般的には、PCOSによる無排卵や排卵障害の治療は排卵誘発剤を使います。
ただ、メールを拝見すると、これまでの医師の治療や見とおしについての説明は、どうも、みみさんの納得の行くものではなかったようですね。
それは、排卵誘発剤で排卵を起こし妊娠を期待するという、一見、単純な治療のように思えますが、PCOSの場合は、なかなか一筋縄ではいかないところがあるからではないでしょうか。
クロミッドを飲めばすぐに排卵が起こり、妊娠する方ももちろんおられますが、なかなか上手くいかないこともまた多いようで、PCOSの治療は専門医でさえ、苦労されるようなケースが多いと聞きます。要するに、薬の使い方が難しいところがあるということです。
みみさんも経験されたように、クロミッドのような作用の比較的緩やかな排卵誘発剤では、だんだん効かなくなることがあるのですが、かと言って、hMG等の注射は過敏に効きすぎて、卵巣過剰刺激症候群(ОHSS)という副作用を起こしやすいというリスクがあるのです。
ですから、みみさんがもどかしい思いをされているのは、なにも、"産婦人科"の医師の技量や言葉の問題のせいばかりでもないのかもしれません。
アドバイスとしては、ニュージーランドの不妊治療の事情がよく分かりませんが、まずは、経験豊かな"不妊専門医"に診てもらうべきです。
もしも、日本に一時帰国される場合でも、不妊治療に関する技量の確かな医師を選ぶこと、また、検査だけでも、ある程度の期間を要することから、腰をすえて取り組まれることを検討される必要があると思われます。
いずれにしても、不妊治療、特にその初期段階においては、なかなか、"納得"を求めても叶わないことが往々にしてあります。
不妊の原因はこれで、こうすれば、妊娠する!、というような明確に説明の出来る状況の方が珍しいからです。
言葉は悪いかもしれませんが、ある程度、手探り状態で、比較的、体に負担の少ない方法から、徐々に、試していくというような感じが圧倒的に多いのです。
要するに、みみさんの"不妊治療に対するもやもや感"は、そう感じて当然であるといえるかもしれないということです。この辺りの不妊治療に共通する特性みたいなものを正しく認識されませんと、不安や悩みを、不必要に大きくしてしまうことになります。
また、最近は、PCOSは、糖尿病、または糖尿病予備軍の方が、かかりやすいということが、よく言われています。
それは、インスリンという血糖値を下げるホルモンの効き目が悪い(インシュリン抵抗性が高い)ため、インスリンの分泌が過剰になることから、ホルモンのバランスが悪くなってしまうということのようです。
ですから、血糖検査やインスリン検査を受けて、インスリン抵抗性が高い場合には糖尿病の薬を併用するという方法もありますので、一度、医師にご相談されればいかがでしょうか?
日常生活のことを言えば、もしも、糖尿の心配があるとか、肥満気味であるのであれば、正しいダイエットに取り組むことも大切ですし、生活でストレスを強く感じることがあれば、気分転換や運動等でストレスと上手く付き合う術も必要でしょう。
このように、時間をかけてカラダや心の状態を整えることで、月経や排卵も順調になることもよくあることです。
また、バランスのとれた食事や規則正しい生活を心がけることは言うまでもありません。
あとは、海外でのなれない環境であればこそ、ご主人の協力が大切かと思います。
いかがでしょうか?
多少は、お考えが整理できましたでしょうか。