ご心配のことと存じます。
お子さんが出来ないことは、大きな悩みではありますが、命にかかわる病気というわけではありませんので、いつ、どんなタイミングで病院に行くべきかは悩むところですね。
さらに、最近は、、マスコミでも、不妊治療、イコール、体外受精等の高度な生殖補助医療であるかのような、そんな風潮もなきにしもあらずですから、いったい、自分たちが望むような治療を受けることが出来るのか、心配されるのも当然ですね。
さて、不妊期間が1年2ヶ月とのことですが、35歳という年齢を考えると、病院へ行かれるタイミングとしては、決して、早すぎるということはなく、妥当な時期だと思われます。
そして、初めて病院にかかるタイミングに決まりがあるわけではありませんが、最もよいのは、月経が終わりきった頃です。なぜなら、排卵前後に行う検査の計画が立てやすいからです。あと、必ず、これまでの基礎体温表を持参しましょう。
ところで、病院に行けば、いきなり治療が始まるわけではありません。
不妊と一口にいっても、その原因は多岐に渡ります。
そのために、まずは、一通りの検査を受けることからです。
それぞれの検査には月経周期の適切なタイミングがありますから、約2ヶ月くらいはかかると思っておきましょう。
また、検査と治療を併行して進めていくケースも多いようです。
検査によって、妊娠を妨げている原因が特定できれば、それに対する治療を検討しますが、原因が分からない場合も少なくありません。
その場合は、ステップアップと呼ばれる、身体への負担が軽い治療からはじめて、妊娠しなければ、徐々に治療をステップアップしていくという方針でスタートします。
タイミング指導といわれる、エコーで卵胞の成長をチェックしながら、排卵日を調べ、セックスのタイミングを指示される治療から始めるのが普通です。
今よりも、正確に排卵日を特定できるようになります。
そして、もちろん、どこまでの治療を受けるのか、決めるのは、医師ではなく、あくまで、お二人ですから、しっかりとご希望を伝えられればよろしいかと思います。
ただし、クリニックによって、治療方針が少しずつ異なるものです。
あくまで、身体への負担を最小限に妊娠を目指すという方針なのか、或いは、確率の高い治療(体外受精等の高度な治療)を優先するという方針のところもあります。
いったん、通院を始めれば、なかなか転院しづらいものですから、事前の病院選びは、慎重にされることが大切です。
最後に、今は、「ある程度チャレンジして」と考えておられても、どこまでの治療を"ある程度の治療"とお考えになるのか、ぼんやりと思っているだけですから、通院を始めて、なんらかの原因が判明して、実際に治療を受けることで、妊娠が可能であると医師から診断されれば、もしかしたら、お気持ちが動くこともあり得るかもしれません。
不妊治療って、可能性にかけてみたいという気持ちから、ついつい、頑張ってしまう傾向があります。
また、原因がどちらにあるのかにかかわらず、検査や治療は、ほとんどが女性の身体に対して施されるものです。
そんなところから、通院を始めれば、ご主人との"温度差"が、もっと拡がることも多いものです。
ですから、通院を始めれば、その都度、医師から十分な説明を受け、また、お二人で最低限の知識も勉強された上で、お二人の治療に対する気持ちや考えを常にすり合わせて、判断し、決断することが、本当に大切なことなのです。
うまくいくことをお祈りしています。