多嚢胞性卵巣の治療方針はどのようなものがよいか教えて下さい

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多嚢胞性卵巣の治療方針はどのようなものがよいか教えて下さい

多嚢胞性卵巣の妊娠の可能性、今後の治療方針について教えて下さい。
初潮の頃から生理不順でした。
学生の時はあまり気にしておらず、ある年齢になれば正常になると思っていましたが、就職して仕事のプレッシャーやストレスから生理が年に2.3回くらいしか来なくなり、更に仕事がハードになった頃生理がきたと思ったら今度は出血が1ヶ月以上止まらなくなってしまいました。

そこで婦人科へ行き生理を止めてもらいましたが、婦人科の先生との相性がよくなくほどなくして通院をやめました。

しばらくして心身とも落ち着いた頃に漢方治療をしている婦人科へ行き、温経湯という漢方を飲んでいましたが、基礎体温もバラバラで結局注射で生理を起こしていました。

その間に結婚し仕事もやめて、結婚して1年経った頃に、将来子どもが出来ないことを不安に覚え、不妊外来がある大学病院へ転院しました。

大学病院での一通りの検査の結果、多嚢胞性卵巣と診断されました。
クロミッドで排卵を起こしましたが反応が悪く、先生は注射だと卵巣過剰刺激症候群を心配して腹腔鏡手術をしました。

術後しばらくは自然排卵していましたが次第に効果もなくなり、クロミッドと併用してタイミングを試みていましたが妊娠せず、1年後にはクロミッドも利かなくなってしましました。

そして現在は多嚢胞性卵巣に効くとのことで、糖尿病の薬アクトス毎日1錠とクロミッド 2 錠 5 日分の処方で排卵するようになり、タイミング3周期目ですが妊娠に至りません。

大学病院に通院してから2年半になりますが、腹腔鏡手術はしたもののタイミングまでしかしておりません。

その間、主人の転職もあり毎月タイミングを合わせられたわけでもありませんが、やはりそろそろ人工授精をしたほうが賢明でしょうか。

先生からは前からそろそろという話はありますが強い勧めもありません。
主人には人工授精はすこし抵抗があるので私も躊躇してしまい現在にいたります。

大学病院ですのでつい最近まで、毎回担当医はバラバラでした。
アクトスの処方が始まってから担当医(教授)が同じになっています。
私の方から糖尿病の薬の話をして処方してもらうようになったのですが、その時に腹腔鏡より糖尿病の薬の方が効く人も言われたのですが、ならば手術する前に教えていただければ・・という気持ちもあります。

そのときは今の最善策は腹腔鏡と強く言われました。
アクトスの処方には責任があるのでと言う事で、 担当医が同じになったのだと思われます。

長くなって申し訳ありません。

今感じているのは、アクトスを毎日飲みつづけていて、何か今後に支障はないでしょうか。
腹腔鏡よりもアクトスの処方があとになってしまったのは、糖尿病の薬は怖いものなのかという気がしてしまうのですが・・・、今のところ副作用などはありません。

また大学病院なので仕方ないと思っていますが、診察時間も短く何か質問できる雰囲気でもなく、このまま通いつづけていいものだろうかと思いはじめてきました。

治療方針としては少しのんびりしている気がするのですがいかがでしょうか。
多嚢胞性卵巣の治療方針はどのようなものがよいか教えて下さい。
気分転換をしながら治療を続けていましたが最近生理がくると、とても落ち込んでしまいいろいろなことを考えてしまい、今回相談させていただきました。

どうかアドバイスをお願いいたします。

お名前:ajisai  性別:女性  年齢:32
結婚歴:不明年  不妊期間: 年 ヶ月  不妊治療期間: 年 ヶ月

Answer【回 答】梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一 先生

多嚢胞性卵巣の場合、年齢とともに無排卵、およびそれに伴う月経不順が顕著になり、長期間の無月経になったり、不正出血が止まらなくなったりします。

妊娠を希望する場合、程度が軽ければ自然排卵による妊娠も可能です。

しかし、なかなか排卵しない場合には、
①自分で排卵の時期がわからない、
②排卵の回数が少ない、
などの理由により妊娠しにくくなり、排卵誘発が必要となります。

排卵誘発は、まず、クロミッドや HMG の注射を行い、それでも排卵しない場合には、腹腔鏡による卵巣表面の焼灼術や糖尿病の薬を併用します。

HMG の注射を行う場合には、卵巣過剰刺激症候群や多胎などが起こりやすく、注射を打っている間には、頻回の超音波によるモニタ-が必要となります。せっかく注射を打っても、一度に多くの卵胞が同時に発育してしまい、排卵誘発を途中でキャンセルしなくてはいけない事もよくあります。

腹腔鏡による手術を行うと術後排卵しやすくなり、非常に有効な治療手段ですが、
①全身麻酔による手術が必要なこと、
②効果が1年位できれてしまう事が多い、などが欠点です。

最近、多嚢胞性卵巣に糖尿病の薬が有効であることがわかり、メトフォルミンという薬が広く使われています。確かに有効で、これまでどうしても排卵しなかった方も、メトフォルミンを併用する事により排卵する事が多いです。
アクトスもメトフォルミンと同じ作用をもつ薬ですが、副作用については、メトフォルミンとは異なるようですので、主治医とご相談下さい。

クロミッドや HMG でうまく排卵しない場合、腹腔鏡手術を選択するか、糖尿病の薬を選択するかは、いずれも長所、短所があり一概には言えません。

クロミッドを使用すると、頚管粘液の量が減ったり質が悪くなったりして、精子が子宮に入っていけなくなるという副作用がでる方がいます。このような方には人工授精が有効です。

また、排卵しにくい場合には、1回の排卵が非常に貴重になります。
人工授精の妊娠率は、通常の性交による妊娠率の2倍程度とそう高いくはないのですが、副作用も少なく、ある程度の期間妊娠しなければ人工授精に移るべきだと思います。

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