これまで、妊娠中の母親が浴びた電磁波によって、流産や子供が小児白血病にかかるリスクが高まるのではないかという海外の疫学調査が報告されていて、日本でも国立環境研究所が小児白血病に関する疫学調査を実施しています。
電磁波と男性不妊との関連性については、昨年のヨーロッパ生殖医学会でハンガリーの研究チームが、携帯電話が男性の精子に悪影響を及ぼす可能性を示す研究結果を発表して物議をかもしましたが、専門家の間では、到底確定的なものではないとされています。
いかんせん、精子の状態に影響を及ぼす要因はいろいろなものが存在することから、なかなか、どんな種類の電磁波を、どれくらい強さで、どれくらいの期間浴びれば、精子の状態にどれくらいの影響を及ぼして、それが、結果として、妊娠させる力をどれくらい低下させるのか、明確に特定することは、至難の業です。
ですから、現実には、イギリスの管轄省庁は電磁波については安全であるとの立場をとっていますし、日本でもなんら規制はされていません。
ただし、これまでの多くの疫学調査では、電磁波が人体へ悪影響を及ぼす可能性を示唆するものが多数あることから、スウェーデンでは以下のような規制を設けています。
・コンピュータは30cm離れて2ミリガウス以下になるように防止器具を設置すること。
・ 電線は人口密集地で1ミリガウス、郊外で2ミリガウスを目標とする。
・ 高圧電線の付近は住宅の建設禁止、子供が集まる施設は移転する。
また、アメリカでは連邦政府としては規制はしていませんが、テネシー州やカリフォルニア州のように、高圧電線の近くは住宅や子供施設の建設禁止している州もあるようです。
ですから、自己防衛という観点から、可能な範囲で対策を講じるのに越したことはないと思われます。実際に自宅の電磁波の強度を測定する機器も販売されているようです。