このような私でも妊娠は、可能なのでしょうか?
症状、検査・治療
Questionご質問・ご相談内容
このような私でも妊娠は、可能なのでしょうか?
不妊治療をはじめて4年になります。
本日はじめてこのサイトを見てメールを送らせていただいてます。
現在顕微授精でなければ妊娠は無理でしょうとの事で、総合病院で治療をはじめて1年半になります。
主人が、無精子症で総合病院で治療をはじめて4ヶ月で細胞から精子を採り凍結保存しております。
それから私の治療をはじめました。
私は、PCOSでプレマリンやプラノバールで高温期にして生理を起こし、クロミッドやHMG等の刺激スプレキュアをかなり長くやっても一度も卵胞が大きくならず(10mm以下)、今年に入ってカウフマン療法を一度やりました。
他の病院でも治療をかなりやってきました。
現在、本当に、こんな感じでよいものか体外受精の他に方法はないのか不安になってます。
実際、不妊専門医に通いはじめて1年半強ですが、顕微授精に初めから一気にステップアップしたので、肉体的にかなり大変で他に方法がないものか。
また、精子を凍結保存して1年半強になりますが、大丈夫なのでしょうか。
他で診ていただく場合精子を持ち運ぶ事は可能でしょうか。
このサイトを他の人から聞いて藁をもつかむ気持ちでメールしました。
お忙しいとは思いますが、なんとかお教えいただければ幸いです。
現在、このままでよいのか考えてしまい治療を中断しております。
このような私でも妊娠は、可能なのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
お名前:ななみ 性別:女性 年齢:32
結婚歴:4年 不妊期間:3年11ヶ月 不妊治療期間:4年0ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)/卵管通気・通水/子宮卵管造影 これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ICSI(顕微授精)
Answer【回 答】梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一 先生
ご主人が無精子症で細胞から精子を採り凍結保存しているということですが、細胞からではなく精巣から精子を採ったのだと思います。
無精子症の場合、閉塞性無精子症といって精子を運ぶ管が閉塞したり欠損している場合と、非閉塞性無精子症といって精巣の精子を作る力が非常におちている場合があります。
非閉塞性無精子症なら顕微授精しか方法はありません。
閉塞性無精子症なら、手術で精子を運ぶ管をつなげる手術をすることにより、精液所見が回復する可能性があります。
いずれのタイプの無精子症なのか、手術により回復する可能性がないのかどうかは、確かめられた方が良いでしょう。
精子の凍結保存期間は半永久的と言われています。
数年単位で悪くなることはないでしょう。
凍結精子を移送することは可能ですが、現在かかっている先生と、受け入れ先の先生の了承が必要です。
PCOS の場合、 HMG を毎日注射していけばかならず卵胞は発育するはずです。
ただ、一度に数十個の卵胞が発育するため、卵巣過剰刺激症候群( OHSS )の危険がでてきます。
最近、スプレキュアを使わずに HMG の注射を続け、GnRH アンタゴニストという注射 (日本ではこの夏頃発売予定、多くの不妊クリニックでは既に外国から輸入して使用中)により排卵を抑え、最後に HCG をうたず、スプレキュアを 1 ~ 2 回使うことにより採卵を行ない、体外受精や顕微授精を行う事により 、OHSS を防ぐ事ができるようになりました。当院でも 50 個程の卵子が採れても全く OHSS にならずにすんでいます。
このような方法を使えば、今の年齢なら(精子の状態次第ですが)かなり高い確率で妊娠が可能でしょう。