PCOSで、全く卵が育ちません。未成熟卵体外培養による体外受精について教えて下さい。
症状、検査・治療
Questionご質問・ご相談内容
PCOSで、全く卵が育ちません。未成熟卵体外培養による体外受精について教えて下さい。
2年前に多嚢胞性卵巣症候群と診断されいろいろな治療を試しましたが全く卵が育ちません。
最近、未成熟卵体外培養による体外受精という方法があることを知り、情報やこの方法をしていただける病院を探していますが、まだ普及していないからかなかなか情報が得られません。
この方法は現在どのくらいの実績があり、安全な方法なのでしょうか?
できる病院があればすぐにでも挑戦したい気持ちです。
現状やこの方法について詳しく教えてください。
PCOSで何をやっても卵が育たない場合、未成熟卵体外培養を受けられる病院が近くにない場合などは、もう妊娠を諦めるしかないのでしょうか?
またPCOSは妊娠しても流産しやすいと聞きましたが本当でしょうか?
今の状態ではほとんど出産は無理と覚悟しておかなければならないのではと最近思っています。
お名前:うさはな 性別:女性 年齢:29
結婚歴:2年 不妊期間:2年1ヶ月 不妊治療期間:2年1ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)/卵管通気・通水/子宮卵管造影/子宮内膜検査/服膣鏡検査 これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)/AIH(人工授精)
Answer【回 答】梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一 先生
腹腔鏡下卵巣多孔術後しばらく自然排卵していたのなら、それほど重症の PCO ではない可能性があります。クロミフェンや糖尿病の薬の使い方をかえることによって排卵がおこる可能性も十分あると思います。
体外受精まで考えているのなら、 HMG の注射を毎日行い、GnRH アンタゴニスト(セトロタイドなど)で排卵を抑制し、最後に GnRH アゴニスト(スプレキュアなど)を用いて採卵―体外受精を行い、受精した胚を一旦全部凍結保存するという方法をとれば、PCOS でも OHSS を防ぐことができ、安全に妊娠が可能です。
どこの不妊クリニックでも GnRH アンタゴニストを使えるという訳ではありませんが、未成熟卵の体外培養に比べればこの方法を行なえる施設は多いと思います。
未熟卵体外培養を一番多く行っているのは IVF 大阪クリニックで、良い成績をあげているようです。私は他に未熟卵体外培養を積極的に行っている施設を知りません。
PCOS の場合確かに流産が多いと言われています。
糖尿病薬の服用を続けることにより流産率が減るという報告があります。