子宮内膜症の場合は、それが、どの程度、妊娠の障害になっているのか、なかなか判断するのが難しいのが現実です。
内膜症やチョコレート嚢腫があっても普通に妊娠される方もおられます。
ですから、強い痛み等がなけれは、経過観察と言って、とりあえず、一定期間、様子をみてみて、それでも、授からない場合は、内膜症による炎症や癒着が妊娠を妨げているのではとないかと考え、内膜症や嚢腫を治療するのが一般的な考え方です。
実際に、子宮内膜症の場合、治療方法としては、 薬物療法と腹腔鏡下手術のような外科的治療があります。
薬物療法は、痛みの軽減には有効なようですが、妊娠しやすくなるという報告はありませんが、腹腔鏡下手術で、病変を除去したり、癒着をはがすなどの処置をすれば、妊娠率が大幅に上がるという研究報告が多数あります。
になさんの場合、卵管造影検査後、自然、刺激周期合わせて6周期にタイミング法でも授からなかったということは、やはり、検査で認められた癒着が妊娠しにくくさせていると考えられると思いますので、もちろん、もう少し、様子をみる期間を延長してもよいとは思いますが、腹腔鏡下手術による内膜症や嚢腫への外科的治療を検討されるのは、それほど、性急な考えではないと思います。
さて、問題の腹腔鏡下手術ですが、回復手術に比べて身体への負担が大幅に少ないのですが、全身麻酔をかけて行われる手術ですから、全くリスクがゼロではありませんから、慎重に考えなくてはならないのですが、今では、腹腔鏡下の検査や手術は珍しいものではありません。
処置についても、経験豊富な先生にお願いすれば、頻繁に失敗するようなものでもなく、それほど、心配なさる必要もないと思います。
また、どうしても、手術ということに抵抗を感じるということであれば、体外受精を受けるという方法もあります。
内膜症によるピックアップ機能や卵管の通過性の問題は、体外受精によって、クリアできるからです。
ただし、高度な生殖補助医療になります。
身体への負担や高額な費用がかかりますから、どのように自分たちに相応しい選択をするのか、ご主人とよく話し合った上で、先生に相談されるのがよいのではないでしょうか。