大豆イソフラボンに限らず、植物性エストロゲンが含まれるサプリメントも同様です。
少し専門的なお話しになりますが、エストロゲンは受容体とよばれる細胞の器官に結びついて働きが発揮されます。
植物性エストロゲンは女性の卵巣から分泌される本物のエストロゲンとよく似た化学構造のために、エストロゲン受容体に結びついてしまいます。
植物性エストロゲンは、本物のエストロゲンに比べて、その作用は穏やかですので、本物のエストロゲンの代わりに、植物性エストロゲンが受容体に結びついた場合、結果として、エストロゲンの作用が低下してしまうおそれがあるとされています。
そのため、植物性エストロゲンを摂取した場合、卵胞が育ちにくくなったという報告もいくつかなされています。
いずれにしても、生殖機能は、さまざまなホルモンの絶妙なバランスの上に成立するものですし、ホルモンの働くメカニズムは完璧に解明されているわけではありません。
閉経後の女性には、更年期障害の緩和に、大豆イソフラボンは有効とされていますが、生殖年齢にある女性、特に、ホルモン療法を受けている場合は、摂取すべきでないと考えるのが無難なように思います。
また、アグリコン型のイソフラボンは、大豆食品中に含まれるイソフラボンの形態ではなく、人工的に腸内吸収を高まるように加工されたものです。
大豆食品を食べた場合は、その時々の状態によって、体内に吸収されるイソフラボンが上手くコントロールされるようで、大豆食品からイソフラボンを摂取して、なんらかのマイナスの働きがおこることはあり得ませんし、その健康効果はよく知られているところです。
サプリメントや健康食品全般に言えることですが、たとえ、身体に有用な働きをするとされている成分でも、無闇に摂取すればよいというものではありません。
大豆食品をしっかりと食べたいものです。