HCGを注射した後でも高温期になる気配がありません
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HCGを注射した後でも高温期になる気配がありません
いつもHPを拝見させて頂いております。とても勉強になり治療の励みになります。
私は、子宮頚管ポリープの手術後、不妊治療を受けています。以前より、基礎体温の低温期が長いのが心配でしたが、なんとか低温と高温期は分かれていました。
現在はセロフェンを内服しています。タイミングは2回目で、今回の15日目に左の卵巣内の卵胞が20 mm になったため、HCG注射をしましたが、一週間過ぎても高温期になる気配がありません。前回も同様でしたが、先生からは「歳だから...」としか説明されません。4月から赴任されたばかりの先生なので、詳しく聞ける雰囲気もなく、とても不安です。
以前、低温期の24日に診察した際、卵巣内に27 mm に育った卵子が排卵されずにいたので、ドオルトンを内服したことがあります。その時は、きれいな高温期を示しました。
HCG注射を打つと排卵するといわれているのに、高温期にならないので排卵できてないのでしょうか?年齢のことをいわれると仕方がないですが、納得できないのです。
年齢的にすごく不安です。子宮頚部癌検査は大丈夫でした。HCG注射を打つと、確かに胸は膨らむ感じがするのですが...。高温期にはなりません。
お忙しいところ、本当に申し訳ないですが、ご回答よろしくお願いします。
お名前:トリドシ 性別:女性 年齢:37
結婚歴:4年 不妊期間:4年1ヶ月 不妊治療期間:0年4ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/子宮卵管造影 これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)
Answer【回 答】梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一 先生
まず、 37 歳という年齢は、まだ悲観する必要はありません。当院の不妊外来では 37 歳で初診された方の 51 %が妊娠、 34 %が出産されています。
また、年齢が上がると HCG に反応しなくなるということはありませんので、「歳のせい」で基礎体温が高温相にならないのではありません。
HCG の注射をしても高温相にならないとの事ですが、HCG 注射の後、基礎体温は少し上がっていませんか?
よく基礎体温が 36.7 度を越えないと高温相ではないと考えている方がいますが、HCG 注射後基礎体温がある程度上がっていれば、36.7 度を越えなくても高温相と考えれば良いのです。HCG 後 14 日目頃に月経が来ていれば、基礎体温が少し低くても排卵はしていると考えて下さい。基礎体温の高さと妊娠とは関係ありません。
ただ、 HCG 注射をすれば必ずきれいに排卵するとは限りません。
特にセロフェン(クロミフェン)を内服している周期では、卵胞径が 20mm 位で HCG 注射をしても、卵胞は消えず無排卵黄体化卵胞( LUF )と言われる状態になる事があります。ただ、その場合でも基礎体温は上がるとは思いますが。これを避けるため、私はセロフェンの周期には、卵胞径がもう少し大きくなってから HCG を注射しています。
卵胞径が 20mm になっていて HCG 注射で高温相にならないとは考えにくいので、たぶん基礎体温の見方が違っているのだと思います。むしろ、先生とコミュニケーションがうまくとれていない様なので、そちらの方が心配です。